ロリス科

ベンガルスローロリス

ベンガルスローロリス
©2011 Helena Snyder: clipped from the original

ベンガルスローロリスの基本情報

ベンガルスローロリス

英名:Bengal Slow Loris
学名:Nycticebus bengalensis
分類:ロリス科 スローロリス属
生息地:バングラデシュ, カンボジア, 中国, インド, ラオス, ミャンマー, タイ, ベトナム
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

ベンガルスローロリスPhoto credit: Helena Snyder

ヤコブソン器官

ベンガルスローロリスにとって、においは非常に重要なコミュニケーションツールです。

においは特に繁殖において重要な役割を果たします。

スローロリスには、性皮の腫脹のような外形的な特徴が発情時に現れません。

その代わり、メスは尿のにおいによって発情の合図をオスに送ります。

この合図をオスが受け取れば、オスとメスはめでたく結ばれることになります。

 

この繁殖のコミュニケーションにおいて、大きな役割を担う体の一部分があります。

においと言うことで、この答えは鼻だと思ってしまいます。

ところが、ここでの答えは鼻ではありません。

その一部分の名前はヤコブソン器官と言います。

これはフェロモンなどの化学物質を感じることができる器官で、スローロリスの場合、鼻の穴の間の鼻鏡(びきょう)と呼ばれる部分に存在します。

鼻以外ににおいを感知できる嗅覚器官があるとは驚きですが、繁殖においては鼻よりも大事かもしれません。

 

このヤコブソン器官ですが、実はスローロリス以外にもネコやウマなども持ちます。

これらの動物が笑っているかのように上唇を上げる様子を見たことある方もいるかもしれません。

フレーメン反応するウマフレーメン反応するウマ

 

これはフレーメン反応と呼ばれ、口の中にあるヤコブソン器官を空気にさらしにおいを取り込む行為だと言われています。

人間の足の匂いなどにも反応するようなので、ペットとして飼っている方は是非試してみてください。

ベンガルスローロリスPhoto credit: Helena Snyder

ベンガルスローロリスの生態

ベンガルスローロリスは、ミャンマーラオスベトナムなど東南アジアの国々の、熱帯雨林や常緑林に生息します。

 

夜行性で、網膜の奥にあるタペータムと言う組織が光を増幅することで、夜でも活動することができます。

 

一生を樹上で過ごし、果実樹脂樹液昆虫などを食べて暮らします。

 

体長は26~38㎝、体重は1~2キロで、ロリスのなかまの中では最も大きい種になります

また、体格において性差は見られません

また、しっぽは退化しており、枝をつかみやすいように手足の人差し指は短くなっています

 

コミュニケーションには、音声や臭腺から出るにおいが使われます。

この臭腺から出る分泌物は、唾液と混ざることで毒になります。

スローロリスはこの毒を体に塗ることで捕食者から身を守っています。

また、この毒には寄生虫を寄せ付けない効果もあるようです。

 

ベンガルスローロリスは、単独もしくはペアで行動します。

しかし、木の洞などで寝るときは複数の個体が集まることもあります。

寝床はいつも同じとは限らず、いくつもの寝床を転々としています。

別種のロリスと同じ寝床で寝ることもあるようです。

 

繁殖には季節性が見られず、一年中行われていると考えられています。

メスは約2年に1度、約半年の妊娠期間の後に1~2匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは約半年で離乳し、1~1.5歳で性成熟に達します。寿命は約15年と言われています。

ベンガルスローロリスに会える動物園

ベンガルスローロリスは、生息地の破壊、ペットや肉目的の狩猟などにより個体数を減少させています

レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、絶滅が危ぶまれています。

 

そんなベンガルスローロリスですが、日本では長崎県の長崎バイオパークでお目にかかることができます。

スローロリスに特有の、ゆっくりとして可愛らしいその動きを是非見てみてください。