オマキザル科

クロオマキザル

クロオマキザル
©2012 Alexandre Pedron: clipped from the original

クロオマキザルの基本情報

クロオマキザル

英名:Black-horned Capuchin
学名:Sapajus nigritus
分類:オマキザル科 フサオマキザル属
生息地:アルゼンチン, ブラジル
保全状況:NT〈準絶滅危惧〉

クロオマキザルPhoto credit: Peter Cook

カプチン

今回は名前に注目してみることにしましょう。

英名をご覧ください。

“capuchin”とあります。

これはオマキザル属フサオマキザル属のサルに付く英単語で、そのままカプチンと発音します。

このカプチンという言葉には実は語源があります。

 

カプチンとは、本来カプチン・フランシスコ修道会のことを指します。

これはカトリック教会の修道会の一つで、カプチン会などとも呼ばれます。

この修道会では清貧主義に基づき厳格な修道生活が営まれているようです。

ここでカプチンの語源が分かりましたが、なぜこの修道会の名がサルの名前に使われているのかについては謎です。

英名を付けた人がカプチン会の人だったからなのでしょうか。

 

ところで、このカプチン会を語源とする言葉は他にもいくつかあります。

その一つがカプチーノ(cappuccino)です。

これは、カプチーノの色がカプチン会の修道僧が被るフード(cappuccio、カプッチョ)の色に似ていることに由来すると言われています。

クロオマキザルの色はこの色によく似ていますね。

もしかしたらサルのカプチンも色に由来するのかもしれません。

このフードはオランダの巨匠レンブラントの『カプチン修道士の姿をしたティトゥス』という絵に見ることができます。

ちなみにティトゥスとはレンブラントの実の息子です。

この他にも日本語で僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる肩回りの筋肉もこのカプチン会修道士のフードを語源としていると言われています。

cappuccio、カプッチョ

クロオマキザルの生態

クロオマキザルは、ブラジル南東部熱帯雨林などに生息します。

 

昼行性で、果実種子カエル昆虫など何でも食べます。

 

体長は30~55㎝、体重は2~3.3㎏、しっぽの長さは35~50㎝でオスの方が大きくなります

しっぽは名前の通りに巻かれておりしっぽで枝などをつかむことができます。

 

クロオマキザルは5~25頭から成る、複雄複雌単雄複雌の群れを作り、αオスが群れを率います。

αオスの権力は強く、ほとんどのメスはαオスと繁殖をします。

また、この群れは母系で、オスが生まれた群れを離れていきます。

群れを出たオスは他の群れを襲うこともあり、このようなオスによる子殺しが報告されています。

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クロオマキザルは1年中繁殖できるようですが、12月~4月に交尾が行われることが多いようです。

メスは約5カ月の妊娠期間を終えると、1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんははじめ母親のおなかに抱かれていますが、成長すると背中にしがみつくようになります。

動画の赤ちゃんは母親の背中につかまっていますね。

赤ちゃんは約1年で離乳し、4~8年で性成熟に達します。

性成熟に達するのはメスの方が早いです。

メスの性的休止期間は約2年と言われています。

クロオマキザルに会える動物園

クロオマキザルは、生息地の縮小や分断、狩猟などの影響で個体数を減らし続けています

その結果、レッドリストでは準絶滅危惧に指定されてしまっています。

絶滅危惧種となるのも時間の問題かもしれません。

 

そんなクロオマキザルですが、残念ながら日本の動物園では会うことができません

しかし、近縁のフサオマキザルには、北海道の円山動物園、神奈川県の野毛山動物園、愛知県豊橋市ののんほいパーク、山口県のときわ動物園、福岡県の海の中道海浜公園などで会うことができます。

カプチンであればなんでもいいやという方は是非こちらの動物園に行ってみてください。

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