クモザル科

ペルークロクモザル

ペルークロクモザル
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ペルークロクモザルの基本情報

ペルークロクモザル

英名:Black Spider Monkey
学名:Ateles chamek
分類:クモザル科 クモザル属
生息地:ボリビア, ブラジル, ペルー
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

ペルークロクモザルPhoto credit: Tambako The Jaguar

強靭なしっぽ

ペルークロクモザルは真っ黒な毛で覆われています

遠くから彼らを見ると、ひょろ長い生き物がすばしっこく動き回っていることが分かります。

これが、「クモ」が名前につく理由になったのでしょう。

 

ペルークロクモザルを含め、クモザルのなかまはほとんどを木の上で生活し、地上に下りてくることはめったにありません

そんな樹上生活者、ペルークロクモザルの特徴と言ったら長い手足としっぽです。

彼らの体は樹上生活に適応しており、長いしっぽは移動に欠かせません。

このしっぽは、第五の手として移動の際、枝に巻き付けて体を支えるだけでなく、しっぽ一本で木にぶら下がることもできます。

 

この時に欠かせないのが、しっぽの尾紋です。

クモザルのなかまのしっぽの裏には毛が生えていません。

そしてその肌の部分には、尾紋という模様があります。

私たちの手にも模様があり、指のそれには指紋という名前がついていますが、これは本来グリップ力を高めるためのものです。

要は滑り止めです。

地上で生活する人間にとは違い、樹上で生活する彼らにとって物を掴む力は命に関わります。

この尾紋は恐らく、彼らにとっては私たちの想像以上に重要なものでしょう。

また、私たちと同じように彼らは汗をかきますが、この汗をしっぽにかけば、グリップ力はさらに高まります。

緊張したとき私たちは汗をかきますが、サルたちにとって緊張するときとは捕食者に狙われたときです。

この時手足やしっぽに汗をかき、グリップ力を高めることで、木から滑り落ちないようにしているのです。

ペルークロクモザルPhoto credit: Tambako The Jaguar

ペルークロクモザルの生態

ペルークロクモザルは、ブラジル西部ペルー北東部ボリビア北部から中央部にかけて、熱帯雨林などに生息します。

 

果実を好んで食べ、その割合は全体の8割ほどにもなります。

そのほかにも昆虫樹皮なども食べます。

種子は丸呑みにすることが多いので、種子散布者として森林維持に貢献しています

 

体長は55㎝前後、体重は7~9㎏で、オスの方が大きくなります

クモザルは長いしっぽの他に、短い親指も特徴的です。

これも樹上生活に役立っており、彼らは手をフックのようにして枝にかけ移動しています。

 

ペルークロクモザルは20~50頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

しかし、群れで観察されることは少なく、普通はより小さい3頭前後のパーティーというグループに分かれて行動します

遊動域は他の群れと一部で重複し、群れ同士は敵対的です。

クモザルの社会は父系社会で、オスは生まれた群れで一生暮らしますが、メスは成熟すると群れを離れ、他の群れに移籍します。

また、クモザルの社会にはオスにもメスにも序列があります。

コミュニケーションには音声やにおい、グルーミングなどが用いられます。

クモザルのメスは外形的な発情のサインを持たないので、発情を知らせるのににおいは重要な役割を果たしています。

 

ペルークロクモザルの出産の多くは9月~12月にかけて行われます。

オスもメスも乱交的に交尾し、メスは約230日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは約2歳で離乳し、約4歳で性的に成熟します。

メスの月経周期は24~27日、交尾期間はこのうち約2日間、性的休止期間は1~2年、寿命は飼育下で40~50年です。

 

繁殖について面白いのは、劣位のメス程、メスの赤ちゃんを産む確率が高いということです

一方優位のメスは性の偏りなく出産します。

これには、メスはオスのような交尾相手をめぐる闘争がない、つまり順位がオス程は重要でないということや、順位に関わらずメスはいずれ群れを離れることなどが理由として考えられるでしょう。

更に面白いのは、優位なメスは離乳前のオスの子供の方により手厚い世話を与えることです

これに伴い、子供がオスかメスかによって母親の出産間間隔も変わってきます。

子供がオスである場合、次の出産は約3年後、メスの場合は約2.5年になります。

ペルークロクモザルに会える動物園

ペルークロクモザルは、食料目的の狩猟や、森林の破壊などにより、個体数を減らしています

彼らは比較的大きな体をしているので、狩猟のターゲットになりやすく、これが個体数にプレッシャーをかけています。

レッドリストでは、絶滅危惧ⅠB類に指定され更なる個体数の減少が懸念されています。

 

そんなペルークロクモザルですが、確認出来る限り、愛知県の日本モンキーセンターで会うことができるようです。

クモのような彼らの姿を是非一度見てみてください!