キツネザル科

アオメクロキツネザル

アオメクロキツネザル
©2015 Clement Bardot

アオメクロキツネザルの基本情報

アオメクロキツネザル

英名:Blue-eyed Black Lemur
学名:Eulemur flavifrons
分類:キツネザル科 キツネザル属
生息地:マダガスカル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

アオメクロキツネザルPhoto credit: Charlie Marshall

減る青い目

このサルの名前にわざわざ「アオメ(青目)」とついているのには訳があります。

実はこのサルとよく似たサルに、クロキツネザルというサルがいます。

クロキツネザル
クロキツネザルメインタイトルは「麻薬を楽しむサル!?」と「森の友だち」の2本です。その他、生態も紹介しています。...

オス同士は特によく似ており、はっきり分かる違う所と言えば目の色と耳の房毛くらいです

この2種のサルは見た目からわかるように近縁であるため、食性や習性など様々な点でも互いに似ていると考えられています。

特にアオメクロキツネザルは野生での研究があまり進んでいないので、その生態はクロキツネザルのものから推測されることがあります。

このようにクロキツネザルというそっくりさんと区別するために、わざわざ「アオメ」という言葉がつけられているのです。

 

そんな青目の方のクロキツネザルですが、現在野生での絶滅が危惧されています

2008年には世界で最も絶滅に瀕した25のサルの1つに選ばれてしまいましたし、2015年にはこのままの状況では少なくとも11年後には野生での絶滅の可能性があることが予想されました。

レッドリストでは最も絶滅が危険視されている絶滅危惧ⅠA類に指定されており、現存する個体数はたった1000頭以下と推測されています。

近い将来には、クロキツネザルと名のつくサルはこの世に1種だけになるかもしれません。

アオメクロキツネザルPhoto credit: Mark Burke

アオメクロキツネザルの生態

アオメクロキツネザルは、マダガスカル北部の乾燥林に生息します。

基本昼行性ですが、夜に活動することもあります。これには月の明かりなどの夜の明るさが影響しているようです。

主に果実を食べ、果実が少ない乾季には葉や花、種子などを食べます。

また、ある時期には昆虫、特にセミ類を大量に食べる可能性があることが指摘されています。

 

体長は40センチ前後、体重は2.5㎏前後で体格上の性差はあまり見られません。

その一方、見た目上の性差が顕著です。

オスが真っ黒である一方、メスはオレンジや茶色をしています。

そしてこのメスの色はクロキツネザルのメスともかなり異なります。

全く黒くはないメスですが、名前の通り、目はオス同様にきれいなブルーをしています。

 

アオメクロキツネザルは、4~11頭から成る群れで暮らします。

群れの中ではメスが優位にあり、食料や繁殖において優先権を持ちます。

繁殖は11~12月にかけて行われます。

この時期、オスの睾丸は大きくなり、他のオスに対してより攻撃的になります。

繁殖が成功すれば、メスは4カ月ほどの妊娠期間ののち、3~4月にかけて1または2匹の赤ちゃんを産み落とします。

出産から数日~数週間の間、メスは攻撃的になり、他の個体を寄せ付けません。

ちなみに、オスもメスも生まれたときはオレンジ色で、オスは4~8週かけて徐々に黒い毛をまとっていきます。

 

アオメクロキツネザルは、他のキツネザルと同様、匂いによるコミュニケーションを多用します

匂いの付け方には性差があるようで、肛門付近を枝などにこすりつける方法がオスメス共通しているのに対し、手の平や頭をこすりつける方法はオスにしか見られません。

アオメクロキツネザルに会える動物園

アオメクロキツネザルは、先述のように絶滅の危機に瀕しています。

肉目的の狩猟や、人間による生息地の破壊などがその原因です。

 

危機的状況にあるアオメクロキツネザルですが、残念ながら日本では会うことができません

しかし、アメリカにいる方、もしくは行く予定がある方にはここで朗報があります。

ノースカロライナ州にデューク大学キツネザルセンター(Duke Lemur Center)というキツネザルを研究する施設がありますが、ここでアオメクロキツネザルを見ることができるようです。

そこでは15種類以上のキツネザルが飼育、研究されており、一般観光客向けのツアーもあります。

観光地として評価が非常に高い場所でもあるので、機会がある方はぜひ行ってみてください。