オナガザル科

ブルーモンキー

ブルーモンキー
©2018 Andy Witchger

ブルーモンキーの基本情報

ブルーモンキー

英名:Blue Monkey
学名:Cercopithecus mitis
分類:オナガザル科 オナガザル属
生息地:アンゴラ, エチオピア, ケニア, コンゴ民主共和国, ザンビア, 南スーダン, ウガンダ
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ブルーモンキーPhoto credit: Christoph Strassler

温厚なサル?

このサルの学名に注目してください。“mitis”とありますよね。

これはラテン語で「温厚な」とか「柔和な」とかいう意味になります。

果たしてこのサルは本当に温厚なのでしょうか。

 

ここで特筆すべきは、混群という現象です。

これは、別の種同士が集まり、あたかも一つの群れを形成しているような状態のことを言います。

ブルーモンキーは、アカオザルとの混群をよく形成します。

アカオザル
アカオザル名前からは想像できないかわいいルックス。鼻の頭にはあるマークが。彼らに会える動物園も紹介しています。...

 

理論的に、食べるエサや、生活する場所が同じ種同士が共存することは考えにくいです。

というのも、共通の資源を利用する種間には、それをめぐる競合が起き、共存することはないという競争排除則(ガウゼの法則)に、この混群は反していると考えられるからです。

 

しかし、実際に混群は存在しています。

研究者はこの現象を説明するために、様々な仮説を立てています。

例えば、混群を作ることで、捕食者をより早く発見したり、捕食されにくくなったりという対捕食者仮説や、えさのありかを知っている異種とともに行動したり、多種に捕食者に対する警戒を任せることなどより効率的に採食できるという採食効率化仮説があります。

とはいえ、これらの仮説はまだ証明されていないため、混群の謎はいまだ解明されていません

 

本題に戻ると、ブル―モンキーの名付け親は、この混群を見て、他種にも寛容なブル―モンキーに“mitis”の名を与えたのかもしれません。

ブルーモンキーPhoto credit: Panegyrics of Granovetter

ブルーモンキーの生態

ブル―モンキーは、アフリカ中央部熱帯雨林山地林などに広く分布します。

昼行性で樹上性が強いです。

 

主に果実を食べ、他には葉っぱ昆虫なども食べます。

 

体長は50~65㎝、体重はオスが約6㎏、メスが約4㎏と、オスの方が一回り大きくなります

また、彼らは体長よりも長く、把握性のないしっぽを持ちます。

ブル―モンキーはブルーという言葉が名前についているくせに、青い所がどこにもありません。

このサルと同じオナガザル族のなかまには、ベルベットモンキーブラッザグエノンなど、青い睾丸を持つサルもいますが、そういうわけでもありません。

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ブル―モンキーは、10~40頭から成る単雄複雌の群れを作ります。

しかし、複数のオトナオスが群れに共存していることもあるようで、さらに繁殖期には群れに他のオスが流入することもあります。

ブル―モンキーの社会は母系社会で、メスは群れに一生留まり、オスは成長すると群れを離れます。

 

繁殖は一年中見られ、メスは約130日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親の他、群れのメスによっても世話されます(アロマザリング行動)。

そして生後約6カ月で離乳し、約3年で性的に成熟します。

出産間隔は食料が豊富にあれば約1年、寿命は飼育下で約25年です。

ブルーモンキーに会える動物園

ブル―モンキーは、絶滅の危機に関しては軽度懸念にとどまりますが、農業、材木、ダムなどのための森林破壊や肉目的の狩猟により、個体数を減らしています

今後もこれらが続くようであれば、ブル―モンキーが絶滅危惧種に指定される可能性も十分考えられるでしょう。

 

そんなブル―モンキーですが、残念ながら日本の動物園で見ることはできません

どうしても見たいという方は、是非現地に行ってみてください。

ブル―モンキーと他のサルとの混群を見られるかもしれません。