オマキザル科

キアタママーモセット

キアタママーモセット
©2011 Peter Schoen: clipped from the original

キアタママーモセットの基本情報

キアタママーモセット

英名:Buffy-headed Marmoset
学名:Callithrix flaviceps
分類:オマキザル科 コモンマーモセット属
生息地:ブラジル
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

キアタママーモセットPhoto credit: Giovanni Mari

侵略されるサル(前編)

キアタママーモセットは、ブラジル南東部の山地性の森林に生息します。

ここには彼らの他にキイロミミマーモセットというサルも生息しています。

現在、このブラジル東南部固有の2種のサルは絶滅の危機にさらされています。

キイロミミマーモセット
キイロミミマーモセットメインタイトルは「侵略されるサル(後編)」。彼らの生態や、彼らを危機から守る活動を紹介しています。...

それはもちろん生息地である森林の縮小というのが1つ大きな理由なのですが、もう1つ理由があります。

それが、他のサルによる侵略です。

 

マーモセットは小さくてかわいいということもあり、現地でもペットとして人気があります。

しかし、責任のない人間に飼われたペットは不幸です。

飼いきれなくなった人が森に放してしまうことも少なくありません。

そうして捨てられたサルたち、特にコモンマーモセットクロミミマーモセットが、キアタママーモセットたちの住みかを奪っているというのです(下のリンク先に乗っている地図を見るとよくわかる。紫がキアタママーモセット、ピンクがキイロミミマーモセット、黄色が侵略する種)。

コモンマーモセット
コモンマーモセット樹液を食べるサル、子育てを分担するサル、日本でも会えるサル、これがコモンマーモセットです。...
クロミミマーモセット
クロミミマーモセットこのサルは樹液を主食とする面白いサルです。彼らの体はこの樹液食に非常に適しています。...

コモンマーモセットもクロミミマーモセットも、キアタママーモセットたちと同じコモンマーモセット属のサルです。

なかまと言ってもいいほど近縁のサルからの侵略を受けるとは何とも残酷ですが、近縁だからこそ食性や生息する環境が似ておりともすれば敵となってしまうのです

当然、最も糾弾されるべきはこのような状況を引き起こした人間なのですが。

キイロミミマーモセット:侵略されるサル(後編)に続く→

キアタママーモセットの生態

キアタママーモセットは、ブラジル南東部沿岸林などに生息します。

樹上を四足やヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングで移動し、この時、マーモセット特有のかぎ爪が役に立ちます。

移動方法(二足歩行、四足歩行、ブラキエーション、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピング)
移動方法霊長類の多様な移動方法を動画付きで解説しています。四足歩行以外にもブラキエーションやヴァーティカ……...

 

キアタママーモセットは昼行性で、ガム昆虫果実などを食べます。

 

体長は約30㎝、体重は400g前後で、しっぽの長さは40㎝近くにもなります。

しっぽには把握性はありません。

また、体格において性差はほとんどありません。

 

キアタママーモセットは、多くて15匹から成る、単雄複雌、もしくは複雄複雌の群れを作ります。

基本的に繁殖するのは優位のメス1匹だけですが、他のメスが繁殖する様子も観察されているようです。

 

繁殖は1年中行われており、メスは約5カ月の妊娠期間を終えて双子の赤ちゃんを産みます

マーモセットメスの性的休止期間は非常に短く、1年で2回出産することができます。

また、赤ちゃんは三つ子や四つ子で生まれてくることもあるようです。

かなりの子だくさんです。

キアタママーモセットに会える動物園

キアタママーモセットは、生息地である森林の破壊や分断、そして先述の他のサルたちによる侵略などにより個体数を減らし続けています

レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されており、生存数は2500匹以下と推測されています

 

そんなキアタママーモセットですが、残念ながら日本では会うことができません

しかし、近縁のクロミミマーモセットには、千葉県の千葉市動物公園、山梨県の遊亀公園附属動物園、静岡県の浜松市動物園、愛知県の日本モンキーセンターで会うことができます。

どちらもコモンマーモセット属のサルなので、似たようなところがあるかもしれません。

是非これらの動物園に足を運んでみてください。