オナガザル科

クロザル

クロザル
©2010 Sandra van del Wel

クロザルの基本情報

クロザル

英名:Crested Macaque
学名:Macaca nigra
分類:オナガザル科 マカク属
生息地:インドネシア
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

クロザルPhoto credit: Jason Thompson

自撮りする黒いサル

2011年、あるカメラマンのカメラを使って自撮りをしたサルが、世界的に話題になりました。

その写真が下の画像です。

素晴らしい自撮りですね。

この写真はそれ自体有名になっただけでなく、動物がとった写真の著作権についてもその後議論を呼びました。

 

この真っ黒なサル。その名もクロザルと言います。

名前にふさわしく、全身も真っ黒な毛でびっしり覆われています

ただ一つ、色が違うところがあります。

それが「しりだこ」と呼ばれる部分です。

これは、お尻の皮膚が分厚くなったもので、オナガザル科のサルが持っています。

地面などに腰を下ろすとき、体を安定させたりお尻を守ったりするのに役立っています。

このしりだこが、クロザルの場合、きれいなピンク色をしています

黒い体にとても目立つしりだこです。

 

日本語ではクロザルと言いますが、英名を見てみると“black”ではなく、“crested”という単語がつけられています。

これは、「冠毛のある」という意味です。

実際、クロザルの頭にはふさふさした毛が生えており、モヒカンのようで特徴的です。

 

また、オナガザル科のサルはその名の通り長いしっぽを持っていることが多いのですが、その中では珍しく、クロザルのしっぽは2センチととても短いです

ところで、クロザルと同じオナガザル科 マカク属に、クロザルの他にしっぽの短いサルがいます。

それは私たちにとって最も身近なサルなのですがなんだと思いますか?

是非タグ一覧からマカク属を押して、調べてみてください。

クロザルPhoto credit: J Unrau

クロザルの生態

クロザルは、インドネシアスラウェシ島北部にのみ生息しています。

地上性が高く、1日に2㎞以上移動します。

 

クロザルは食糧の豊富な熱帯雨林に棲み、主に果実を食べます。

果実が少ない時には、昆虫や若葉なども食べます。

 

体長は45~60㎝、体重はオスが10㎏前後、メスが5.5㎏前後でオスの方が大きくなります

 

クロザルは、50~100頭から成る、複雄複雌の群れを作ります。

クロザルの社会は、メスが生まれた群れに一生留まる一方、成長したオスが群れを離れる母系社会です。

メス同士は平等な関係にありますが、オスには明確な順位があります。

メスは優位のオスを好みますが、繁殖の機会は劣位のオスにもあります。

 

クロザルは、社会性のとても高いサルです。

音声やグルーミングリップスマッキングなどによるコミュニケーションを頻繁に行い、互いに仲を深めます。

下の動画でもその様子が確認できるのでご覧ください。

 

クロザルの繁殖に明確な季節性はありませんが、多くの交尾は6月と8月に行われるようです。

メスの排卵周期は約32日で、メスは発情すると性皮を腫脹させます

オスもメスも複数と交尾し、メスは5~6カ月の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

下の動画からも確認出来ることですが、クロザルの赤ちゃんは真っ黒ではありません

顔は白く、これからあの容貌になっていくとは思えないくらいかわいらしいです。

 

あまりよく分かっていませんが、赤ちゃんは主に母親、群れのメスよって育てられていると思われます。

赤ちゃんは約1歳で離乳し、4~6年で性成熟に達します。

性的に成熟するのはメスの方がオスよりも早いです。

メスの性的休止期間は18カ月で、寿命は飼育下で約30年です。

クロザルに会える動物園

クロザルは、現在、食料目的の狩猟や生息地の破壊により、数が激減しています

そのため、レッドリストでは絶滅の危機が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に指定されています。

これは、絶滅の危険度を示す指標としては、絶滅していない種に与えられるものの中で最も高いものになります。

 

そんな絶滅危惧種のクロザルですが、なんと日本の動物園で会うことができます

 

札幌の円山動物園、千葉県の千葉市動物公園、静岡県の浜松市動物園、愛媛県のとべ動物園で、クロザルに会うことができます。

絶滅に瀕している彼らを見に、是非これらの動物園に足を運んでみてください。

もしかしたら、そこのクロザルも自撮りをしてくれるかもしれません。