キツネザル科

カンムリキツネザル

カンムリキツネザル
©2018 Mathias Appel

カンムリキツネザルの基本情報

カンムリキツネザル

英名:Crowned Lemur
学名:Eulemur coronatus
分類:キツネザル科 キツネザル属
生息地:マダガスカル
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

カンムリキツネザルPhoto credit: zoofanatic

適応力高め

カンムリキツネザルは、その名の通り冠を被ったような頭をしています。

英名にある“crowned”は「冠を被った」、種小名の“coronatus”も「花冠を被った」とかいう意味になります。

ちなみに同じ種小名を持つサルには、他にクロカンムリシファカがいます。

クロカンムリシファカ
クロカンムリシファカ彼らの生態だけでなく、絶滅の危機やシファカ・コンサベーションという保全活動についても紹介しています。...

 

カンムリキツネザルは、適応力が高いサルです。

生息する場所でいえば、彼らは乾燥林を好みますが、それ以外にも海抜1400mまでの様々な森、例えば人間の手が入った二次林などでも生活することができます

また、食べ物に関していえば、果実を好んで食べますが、果実が少ない時期は葉や花などいろいろな食べ物を食べて暮らします

 

このような適応力の高さは生存の上で非常に有利ですが、そんなカンムリキツネザルも人間が引き起こす状況には適応できていないようです。

焼き畑農業、燃料のための森林伐採、宝石の採掘などにより生息地が失われることで、カンムリキツネザルたちは個体数を減らしています。

適応力の比較的高いカンムリキツネザルですらこうなので、人間の活動が他の生物たちにどれほど悪影響を与えているか想像もつきません。

カンムリキツネザルは、人間のプランテーションに猿害をもたらすことがあるようですが、それは人間に対する彼らなりの小さな小さな仕返しなのかもしれません。

カンムリキツネザルPhoto credit: nomis-simon

カンムリキツネザルの生態

カンムリキツネザルは、マダガスカル北部の乾燥林などに生息します。

 

基本的に昼行性で、10~15haの行動域を持ちます。

 

主に果実を、その他に花粉昆虫なども食べます。

 

カンムリキツネザルは、キツネザル属の中で最小です

体長は35㎝ほど、体重は2㎏でしっぽの長さは約45㎝。

ほとんどネコと同じ大きさです。

体格において性差はありませんが、メスは灰色、オスはオレンジ色の毛に体が覆われており、外見上の性差は顕著です

 

においいによるマーキング、くし歯など、キツネザルのなかまが持つ特徴は、このサルの特徴でもあります。

くし歯はものを食べるときにはほとんど役に立ちませんが、グルーミングに使われることで、群れのきずなの維持に役立っています。

 

カンムリキツネザルは、通常5~15頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

特に大きい群れは2~4頭のサブグループに分かれることがあるようです。

群れではメスがオスよりも優位に立ち、食料や繁殖においてオスに優先します。

 

カンムリキツネザルの繁殖には季節性が見られ、交尾は5月~6月、出産は9月~10月にかけて見られます。

メスの月経周期は約34日、妊娠期間は約125日で、通常1~2匹の赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは主に母親によって育てられ、生後約20カ月で性成熟に達します。

出産間隔は約1年、寿命は飼育下で約25年です。

カンムリキツネザルに会える動物園

先ほど説明したように、カンムリキツネザルは人間による森林破壊や肉、ペット目的の狩猟などの影響で個体数を減らしています

レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されており、「近い将来における野生での絶滅」が危惧されています。

 

そんなカンムリキツネザルですが、日本の動物園で見ることができません

猫ほどの大きさ、かわいいルックス、人気間違いなしなのに残念です。