コビトキツネザル科

フトオコビトキツネザル

フトオコビトキツネザル
©2010 Frank Vassen

フトオコビトキツネザルの基本情報

フトオコビトキツネザル

英名:Fat-tailed Dwarf Lemur
学名:Cheirogaleus medius
分類:コビトキツネザル科 コビトキツネザル属
生息地:マダガスカル
保全状況:LC〈軽度懸念〉

フトオコビトキツネザルPhoto credit: wagon16

しっぽはエネルギーの倉庫

このサルの特徴と言えば、名前にもあるように、その太くて長いしっぽ。

基本的に、サルのしっぽは木の上を走ったりジャンプしたりする際に、バランスを保つというのが大きな役割です。

ところが、このフトオコビトキツネザルのしっぽには、もう一つ大きな役割があります

 

このサルは、マダガスカル熱帯乾燥林に生息します。

そこでは、雨が沢山降る雨季と、全く降らない乾季が存在します

乾季になると、サルのえさとなる果実や若葉がなくなるので、サルにとって乾季は辛い時期になります。

この時期、ほとんどのサルは、乾季樹皮や昆虫などわずかなえさを食べてしのぎます。

しかし、このサルは、他とは全く違う方法で乾季をしのぎます

 

日本では、冬になるとネズミの仲間であるヤマネクマが冬眠します。

それと同じように、フトオコビトキツネザルは、乾季になると休眠するのです。

木のうろ(空洞のこと)でダンゴムシのように丸まり、次の雨季が来るまで何カ月も休眠します。

こんなことをするのはこのサルだけです。

 

休眠期間に入ると、心拍数は1分間に4,5回にまでなり、体温も完全にではありませんが周囲の気温に近くなります。

このように彼らは極限までエネルギーを節約しますが、エネルギーは生きているかぎり必要です。

では何も食べないで、どこからエネルギーを持ってくるか。

 

そのカギがこの太いしっぽにあるんですね。

このしっぽには、休眠していない間に蓄えられた脂肪がたっぷり詰まっています。

このしっぽから、休眠中のエネルギーをちょっとずつもらっているというわけなのです。

こぶに脂肪を蓄え、何日も飲み食いしないでいられるラクダに似ていますね。

フトオコビトキツネザルの生態

フトオコビトキツネザルは、マダガスカル北東部、西部、南東部にかけて、沿岸地帯にある乾燥落葉林河辺林などに生息します。

 

果実種子などを食べ、昆虫を食べることもあるようです。

 

このサルは夜行性で、日が暮れるとえさを探しに行きます。

 

体長20~23㎝、体重120~270g、そして特徴であるしっぽの長さは20~27㎝で、オスとメスはほとんど同じ大きさになります

 

フトオコビトキツネザルは、1匹ずつのオスとメスそしてその子供から成るペア型の群れで暮らします。

しかし、ある研究によると、この子供は必ずしもその群れのオスの子供ではないことが分かっています。

このサルは比較的静かなサルで、音声の他、においや触れ合うことでコミュニケーションを行っています。

 

乾季の休眠から覚めた11月の終わりごろ、彼らは繁殖を始めます。

メスは約60日の妊娠期間の後、通常双子の赤ちゃんを産みますが、下の動画に出てくる赤ちゃんは三つ子で生まれたようです。

赤ちゃんは、母親だけでなく父親(?)によっても育てられ、約2年で性成熟に達します。

出産間隔は約1年、寿命は飼育下で約20年です。

フトオコビトキツネザルに会える動物園

フトオコビトキツネザルは、絶滅の危機は軽度懸念とそこまで高くありません。

しかし、狩猟や、焼畑農業、木炭製造による森林の縮小が影響して、個体数を徐々に減らしてきています。

 

そんなフトオコビトキツネザルですが、残念ながら日本の動物園では見ることができないようです。

休眠中の絶対にかわいいその姿を是非とも見てみたいんですけどねえ。