クモザル科

ジェフロイクモザル

ジェフロイクモザル
©2010 Brian Gratwicke

ジェフロイクモザルの基本情報

ジェフロイクモザル

英名:Geoffroy’s Spider Monkey
学名:Ateles geoffroyi
分類:クモザル科 クモザル属
生息地:ベリーズ, コロンビア, コスタリカ, エルサルバドル, グアテマラ, ホンジュラス, メキシコ, ニカラグア, パナマ
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

ジェフロイクモザルPhoto credit: Michael Schamis

樹上に適した体

ジェフロイクモザルを含め、クモザルのなかまはほとんど樹上、しかもその一番上の樹冠付近で生活します。

そのため、クモザルはそこでの生活に適した体を持っています。

 

まずはなんと言ってもその長いしっぽ

このしっぽには把握力があり、しっぽ一本でぶら下がることもできます。

また、しっぽの先には毛がなく、尾紋と呼ばれる模様があります。

これがあることで、グリップ力が上がり、より物をしっかりとつかむことができます。

 

そして長い腕

クモザルの腕は非常に長く、樹上での移動に役立ちます。

腕の長いテナガザルのもの(ブラキエーション)にしっぽを組み合わせたセミブラキエーションという移動方法は、クモザルの特徴です。

 

最後に親指がほとんどない手

クモザルの手には親指がほとんどありません。

これは腕を使って移動するサルの特徴で、他にテナガザルやコロブスのなかまにも見られます。

ジェフロイクモザルの学名にもある“Ateles”は、ギリシャ語で「不完全の」という意味の言葉です。

これは親指が不完全であることを指しています。

このように、クモザルは進化の中で樹上に適した体を作り上げてきたのです。

ジェフロイクモザルPhoto credit: David J. Stang

ジェフロイクモザルの生態

ジェフロイクモザルは、中米の熱帯雨林などに生息します。

昼行性で、特に朝方もりもりえさを食べます。

食料のほとんどを熟した果実が占めますが、時に若葉や花なども食べます。

果実をよく食べるジェフロイクモザルは、種の散布者として生態系において重要な役割を担っています

体長は30~65㎝、体重は7~8㎏ほどで、しっぽは体長よりずっと長く、63~84㎝にもなります。

 

ジェフロイクモザルは、離合集散する複雄複雌の群れを作ります

多い時には100頭にもなる群れは、採食の時などに数頭の小さな集団に分かれます。

果実は葉っぱのようにどこにでもあるわけではないので、このように小集団で移動するという戦略の方が賢い選択だと言えるでしょう。

 

ジェフロイクモザルの繁殖は非常にゆっくりとしています。

メスの発情周期は24~27日で、そのうち約3日間だけ交尾をします。

その後見事繁殖が成功すれば、8カ月ほどの妊娠期間の後、1匹の赤ちゃんが誕生します。

繁殖に季節性はないのでメスはいつでも発情し出産できますが、1度赤ちゃんを産むと次に産めるようになるまで2~4年かかります。

また、ジェフロイクモザルは、性成熟に達するまで4~5年という短くない歳月を要します。

そのため、一度個体数が減ってしまえば、その回復はかなり難しくなります

ジェフロイクモザルに会える動物園

ジェフロイクモザルは、主に生息地の減少により個体数を減らしています

レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されており、絶滅に瀕したサルの1種です。

先ほど言ったように、ジェフロイクモザルは繁殖が遅いサルです。

そのため、少なくとも現状を維持し、長期的に保全をしていかなければ個体数の回復は望めません。

 

そんな絶滅危惧種のジェフロイクモザルですが、日本では全国各地の動物園で会うことができます

北海道の旭山動物園、埼玉県の東武動物公園、静岡県の日本平動物園、岡山県の池田動物園、福岡県の到津の森動物公園などなど、全国20以上の動物園がジェフロイクモザルを飼育、展示しているので、お近くの動物園に是非足を運び彼らの姿を観察してみてください。