オマキザル科

クロライオンタマリン

クロライオンタマリン
©2009 Alan Hill: clipped from the original

クロライオンタマリンの基本情報

クロライオンタマリン

英名:Golden-rumped Lion Tamarin
学名:Leontopithecus chrysopygus
分類:オマキザル科 ライオンタマリン属
生息地:ブラジル
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

クロライオンタマリンPhoto credit: Ruth Flickr

イクモン

クロライオンタマリンは、4~8匹から成る群れを作り、他の群れと重複するなわばりを持ちます。

群れの形態は様々ですが、少なくとも大人のオスとメスが群れに含まれます。

オスとメスが複数いることもありますが、この場合、1匹のメスだけが繁殖できます。

1匹のメスは1匹のオスと結ばれますが、群れの複数のオスと交尾することもあるようです。

 

クロライオンタマリンを含め、マーモセット亜科のサルは双子を産むことが多いです

そしてこの双子はオスによっても育てられます。

具体的には、クロライオンタマリンのオスは赤ちゃんが生後2~3週間を過ぎてから、赤ちゃんたちの運搬を担うようになります。

赤ちゃんたちを背中にしがみつかせ、お乳の時間にはお母さんのところに運んでいくのです。

クロライオンタマリンのオスは、イクメンならぬイクモン(育児するモンキー)と言えるでしょう。

 

先ほど、繁殖できるメスは複数のオスと結ばれることがあると言いましたが、これは生まれてくる赤ちゃんがそのオスの子である可能性を作り出すことで、群れのオスの育児を促しているのではないかという指摘があります

これが本当なら、メスはかなりの策士ですね。

クロライオンタマリンPhoto credit: Miguelrangeljr

クロライオンタマリンの生態

クロライオンタマリンは、ブラジル・サンパウロ沿岸林などに生息します。

樹上性が高く、地上にはほとんど下りてきません。

このサルは、他のマーモセット亜科のサルと同様、かぎ爪を持っており、木の幹にしがみつくことができます。

そしてそのままジャンプしたり枝の上を4足で歩いたりすることで樹上を移動します。

 

クロライオンタマリンは昼行性で、果実昆虫を食べます。

 

体長は30㎝前後、体重は300~700g、しっぽの長さは30~40㎝になります。

クロライオンタマリンは、その名の通り黒い体をしていますが、お尻のあたりだけオレンジ色をしています

英名では“Golden-rumped(金色のお尻をした)”と形容されており、こちらの方が厳密に言えば正しいですね。

 

クロライオンタマリンの繁殖には季節性があり、メスは1年に1度、約4カ月の妊娠期間を終えて、9月から3月にかけて赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは2~3ヶ月で離乳し、16~24カ月で性成熟に達します。

オスは成長すると群れを出ていき、自分の群れを作ります。

 

クロライオンタマリンは20年近く生きると言われています。

クロライオンタマリンに会える動物園

クロライオンタマリンは、生息地の縮小により個体数を激減させています

個体群はそれぞれ分断されており、現在彼らは危機的状況にあります。

レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類に指定されており、生存数はたった1000匹程度と推測されています

再導入や個体群の移動などの保全活動は過去に行われたようですが、なお一層の保全が求められています。

 

そんなクロライオンタマリンですが、残念ながら日本の動物園では会ことができません

しかし、黒ではなく金色をした近縁のゴールデンライオンタマリンには、日本で唯一、静岡県の浜松市動物園で見ることができます。

ゴールデンライオンタマリン
ゴールデンライオンタマリン今なお絶滅の危機に瀕するこのサルですが、かつてはより厳しい環境にありました。その歴史を紹介します。...

こちらも非常に貴重なサルなので、機会がある方は是非行ってみてください。