テナガザル科

シロテテナガザル

シロテテナガザル
©2017 Tony Hisgett

シロテテナガザルの基本情報

シロテテナガザル

英名:Lar Gibbon
学名:Hylobates lar
分類:テナガザル科 テナガザル属
生息地:中国,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,タイ
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

シロテテナガザルPhoto credit: Jinterwas

サル界のビヨンセ

テナガザルのなかまは、歌を歌うことで知られています。

歌は、様々な音やリズムで構成され歌と呼ぶにふさわしく、性別ごと、種ごとに異なります。

 

手足が白いシロテテナガザルも、もちろん歌います。

歌は明け方と昼に歌われ、10分ほど続きます。

その歌声はハイトーンでのびやか。

アメリカ人のディーバ(歌姫)、ビヨンセさながらです。

シロテテナガザルの歌声は、下の動画にてお聞きください。

歌声は2㎞先まで聞こえるほどの大音量で、動画では森にこだまするシロテテナガザルの歌声を聞くことができます。

 

シロテテナガザルはペア型の群れを作りますが、ペアになったオスとメスはデュエットをします

オスとメスで歌うパートが分かれており、特に特徴的な部分は、オスの場合(メール)コーダ、メスの場合グレートコールと呼ばれています。

 

このようにテナガザルがデュエットをするのは、他の群れに対して縄張りのアピールするため、夫婦のきずなを深めるため、子どもとコミュニケーションするためであると言われています。

サルにもいろんなサルがいるんですね。

シロテテナガザルの生態

シロテテナガザルは、東南アジアおよび中国沿岸林常緑林などに生息します。

樹上性が高く、地上にはほとんど下りてきません。

テナガザルは樹上をブラキエーションで移動します。

移動方法(二足歩行、四足歩行、ブラキエーション、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピング)
移動方法霊長類の多様な移動方法を動画付きで解説しています。四足歩行以外にもブラキエーションやヴァーティカ……...

 

主食は果実で、そのほかにも若葉なども食べます。

 

体長は42~58㎝、体重はオスが5~7.5㎏、メスが4.4~6.8㎏で、オスの方がやや大きくなります

類人猿にはしっぽがありません。

テナガザルも類人猿なので、シロテテナガザルにももちろんしっぽはありません

また、体毛は黒、白、茶色など様々ですが、性差はありません

オスとメスで色が違う種類がいる中で、これはこのサルの特徴と言えるでしょう。

 

名前の通り、白い手と長い腕はこのサルの特徴です。

この長い腕を上手に使って、木々を伝います。

手の親指の位置は人間と比べて下の方についており、これにより枝がつかみやすくなっています。

 

シロテテナガザルは、2~6頭から成るペア型の群れを作ります。

群れはなわばりを持ち、歌でアピールされます。

コミュニケーションには音声やグルーミングを通して行われます

グルーミングには日に10時間近く費やされるようです。

 

シロテテナガザルはおよそ3.5年間隔で出産します。

メスは約220日の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは主に母親に育てられ、約20カ月で離乳します。

性成熟にはメスが6~9年、オスが9年で達し、寿命は飼育下で30~40年です。

シロテテナガザルPhoto credit: Romain

シロテテナガザルに会える動物園

シロテテナガザルは、広い地域に生息しますが、森林破壊により住みかを奪われたり、狩猟の対象となったり、違法取引のために捕獲されたりしてきたことで、数を減らしています

その結果レッドリストでは、絶滅危惧ⅠB類に指定されており、更なる個体数の減少が懸念されています。

 

そんなシロテテナガザルですが、日本国内では全国各地の動物園にて会うことができます

北海道の旭山動物園、東京の多摩動物公園、兵庫県の王子動物園、広島県の福山動物園福岡市動物園など全国20以上の動物園がシロテテナガザルを飼育しています。

皆さんもお近くの動物園に、シロテテナガザルの歌声を聞きに行ってはいかがでしょうか。