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『サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク』

サルと屋久島
目次

書籍情報

書名:サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク
著者:半谷吾郎(京都大学霊長類研究所准教授)、松原始(東京大学総合研究博物館特任准教授)
発行年:2018年
価格:1,600円(+税)
ページ数:317ページ

■目次
第1章 ヤクザル調査隊、始まる
第2章 垂直分布調査への挑戦
第3章 ヤクザル調査の曲がり角
第4章 新たな長期調査地をつくる
第5章 新時代のヤクザル調査隊、始まる
第6章 論文を書く
終章  ヤクザル調査隊は続く

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サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク

ヤクザル調査隊

ヤクザル調査隊は、屋久島のニホンザル(ヤクシマザル:ニホンザルの亜種)の生態調査を目的として1989年に創立されました。

隊長は好廣眞一龍谷大学名誉教授、事務局長は本書の著者でもある半谷吾郎京都大学霊長類研究所准教授です。

調査には素人も参加でき、これまでの参加人数はのべ1500人を超えます。

調査は毎年行われ、この調査を基に様々な論文や書籍が出版されています。

中には学会で賞を取ったものもあり、霊長類の研究に大きく貢献しています。

本書は、このヤクザル調査隊の歴史が詰まりに詰まった本になります。

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本書は霊長類を研究する半谷吾郎氏と、鳥類を研究する松原始氏の二人の研究者によって書かれています。

なぜ鳥類研究者が?と疑問に思ってしまいますが、松原氏はヤクザル調査隊に何度も参加しています。

とはいえ、サルの研究者ではないので、本書では調査隊の生活の部分を主に担当しています。

屋久島は東京の1年分以上の雨が3日で降ることもあるというほど、多雨な地域です。

この雨は、調査隊に幾度も困難を呼び寄せます。

大量の水が道をふさいだり、隊員たちが寝るテントに雨水が浸水して来たり。

このような困難の度に調査隊はワイルドに切り抜けるのですが、氏はスケッチと共にその様子を面白おかしく描きます。

また、食事のトラブルも傑作です。

まさかの常温で保存されていた豆腐を使った酸っぱい香りの麻婆豆腐、臭いが明らかにおかしい豚肉のキムチ炒め、ありえないほど辛いカレー。

このうち1つは事件と呼ばれることになるのですが、これは本書を読んで確かめてください。

本書ではこのようなトラブルや困難だけでなく、キャンプに必要なものやテントの立て方など、実用的な情報も知ることができます。

松原氏が書いたところだけを読むと、自分もその場にいるような臨場感と高揚感を味わうことができ、それはコミカルな探検記そのものです。

一方、サルの研究者である半谷氏が書いた部分は、調査隊の調査に焦点が当てられています。

調査隊がどんな調査をしてきたのか、そこにはどんな困難があってどんな発見があったのか。

もちろん書かれていることはその一部でしょうが、それでも十分調査の醍醐味や意義を感じることができます。

ちなみに、この発見の部分についてはインタビューの中でも少し触れられています。

興味のある方はこちらもご覧ください。

サルの調査ってどんな感じ?という方は、是非本書を読んでみてください。

きっと不思議な高揚感(それは野生で生きるという動物的な、もしくは研究するという人間的なものかもしれません)に包まれることでしょう。

そして、さらに興味を持った方はヤクザル調査隊に応募してみてください。

本書に書かれてあるような経験を味わえることと思います。

以下に、ヤクザル調査隊のホームページと、本書を発行した旅するミシン店のホームページを載せておきます。

旅するミシン店のページからは、本書を30ページだけ見ることできます。

本書はイラストが多く非常に読みやすいです。

なので、皆さんも是非気軽に手に取って、非日常を頭の中で味わってみてください。

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サルと屋久島 ヤクザル調査隊とフィールドワーク
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