オマキザル科

フタイロタマリン

フタイロタマリン
©2010 Lisa Williams

フタイロタマリンの基本情報

フタイロタマリン

英名:Pied Tamarin
学名:Saguinus bicolor
分類:オマキザル科 タマリン属
生息地:ブラジル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

フタイロタマリンPhoto credit: Rob Bulmahn

2色、いや3色のサル

このサルの名前の「フタイロ」、これは「二色」のことです。

学名についている“bicolor”、これも「2色」という意味です。

 

難癖付けるわけではありませんが、3色では?

頭の黒、上半身の白、下半身の茶色で3色。

 

英名の“pied”は「雑色の」という意味です。

こちらの方が正確ですね。

 

とはいえ、体の半分で色が2つに分かれているのはとても珍しいですし、きれいです。

 

このフタイロタマリンですが、近年個体数を激減させています。

2007年には、アメリカの科学雑誌で、「10年後に絶滅してしまうかもしれない動物10種」の内の1種に選ばれてしまいました

10年以上たった今でも絶滅はしていませんが、絶滅の危機は依然として高い状態です。

レッドリストでも、絶滅の危機が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に指定されてしまっています。

 

これにはもちろん、人間による森林伐採なども大きな影響をもたらしているのですが、そのほかにも、同じサル、しかも同じタマリン属であるアカテタマリンに住む場所を奪われているというのも理由の一つです。

アカテタマリン
アカテタマリン学名にあるmidas。これにはアカテタマリンの手に関係していますが、何とも面白い話が潜んでいます。...

同じような生態を持つ種は同所的に共存することはできないので、このままの状態が続けばフタイロタマリンはいずれ絶滅するかもしれません。

フタイロタマリンは人間とアカテタマリンの2種類のサルによって絶滅の危機にさらされています。

フタイロタマリンの生態

フタイロタマリンはブラジルマナウス周辺にのみ生息しています。

マナウスは人口200万人を有する大都市で、今後も経済活動の発展とともに、フタイロタマリンの生息地が縮小していくことが懸念されています。

 

昼行性で、主に果実を食べます。

そのほかにも樹脂を食べます。

 

体長は20~30㎝、体重は400~500g、しっぽの長さは30~45㎝で、外見上の性差はありません

フタイロタマリンは、他のマーモセット亜科のサル同様、かぎ爪を持っており、彼らの移動方法であるヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングに役立っています。

移動方法(二足歩行、四足歩行、ブラキエーション、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピング)
移動方法霊長類の多様な移動方法を動画付きで解説しています。四足歩行以外にもブラキエーションやヴァーティカ……...

 

フタイロタマリンは4~10頭から成る、様々なタイプの群れを作ります。

群れはなわばりを持ち、臭腺から出す分泌物でマーキングします。

コミュニケーションにはこのにおいや音声の他、グルーミングも用いられます。

 

フタイロタマリンの繁殖に季節性はありませんが、多くの出産は3月~5月にかけて見られるようです。

繁殖できるメスは最も優位な1頭だけです。

メスは恐らく群れの複数のオスと交尾し、140~150日の妊娠期間の後、1~2匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親だけでなく群れのメンバー全員から世話を受け、メスは18カ月、オスは24カ月で性成熟に達します。

メスの性的休止期間は1年未満、寿命は飼育下で約20年です。

フタイロタマリンPhoto credit: Marie Hale

フタイロタマリンに会える動物園

フタイロタマリンは、人間による森林破壊、ペット目的の狩猟、犬や猫などによる捕食、病気、アカテタマリンなどの影響で、個体数を減らし続けています

レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類に指定されており、向こう3世代で(18年)で個体数が今の20%以下になると言われています(2015年時点)

そのため、彼らをこれ以上減らさないためにも、現地では保護区の設置や、人工繁殖、教育活動が行われています。

 

そんなフタイロタマリンですが、残念ながら日本では会うことができません

 

絶滅するかもしれないこのサルにどうしても会いたいという方は、アメリカのPhiladelphia ZooやLincoln Park Zooが飼育しているそうなので、アメリカに行った際、ぜひ訪れてみてください。