オマキザル科

ムネアカタマリン

ムネアカタマリン
©2013 Nils Axel Braathen

ムネアカタマリンの基本情報

ムネアカタマリン

英名:Red-bellied Tamarin
学名:Saguinus labiatus
分類:オマキザル科 タマリン属
生息地:ボリビア, ブラジル, ペルー
保全状況:LC〈軽度懸念〉

ムネアカタマリンPhoto credit: Nils Axel Braathen

チャンスを狙うヘルパーたち

ムネアカタマリンは、10匹程度から成る複雄複雌、複雄単雌の群れを作ります。

その中で、繁殖するのは基本的に1匹ずつのオスとメスだけで、残りの大人たちはヘルパーとして彼らの子どもの運搬を担います

このヘルパーは、繁殖するオスとメスどちらかと血縁を持ちます。

 

そんな彼らも繁殖はしたいようで、他の群れと遭遇したとき、まずその群れの繁殖状況を把握します

そしてその群れの繁殖状況が不安定だった場合、その遭遇をチャンスとして群れを移籍します。

その後、移籍したその群れでうまくいけば、晴れて元ヘルパーも繁殖できるようになるのです。

ムネアカタマリンPhoto credit: Marie Hale

匂いは口ほどに物を言う

ムネアカタマリンは、他のマーモセットのなかまと同様に匂いをコミュニケーションツールとして用います。

ムネアカタマリンは、陰部と喉元に臭腺を持ちます。

そこから出る匂いをもってコミュニケーションを行っています。

 

例えば、繁殖するオスは、メスの匂いをかぎ取り、繁殖の準備ができているかどうか頻繁に確かめます。

また、他の群れと遭遇したときは、二匹のオスによるにおいづけ行動がよく行われます。

これは先述のように他の群れから個体がやってこないように、群れの結束を示すものだと考えられています。

 

このように、ムネアカタマリンにとって匂いは口ほど、いやそれ以上に重要な意思伝達手段と言えるでしょう

ちなみにここではオスばかりが出てきましたが、においづけはメスにより見られるようです。

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ムネアカタマリンの生態

ムネアカタマリンは、ボリビアブラジルペルーにかけて、アマゾン川中~上流域熱帯雨林に生息します。

昼行性で、主に果実を食べます。

果実が少ない乾季には、蜜や昆虫なども食べます。

体長は23~29㎝、体重は350~575gでメスの方がわずかに大きくなります

 

ムネアカタマリンは、名前通りの赤みがかった胸と口髭のような白い毛が特徴的です。

その白い口髭から、シロクチタマリンと呼ばれることもあります。

また、他のマーモセットのなかまと同じようにかぎ爪という他のサルにはない特徴を持ちます。

 

年に2度繁殖すること、1度に双子の赤ちゃんを産むことも、他のマーモセット亜科のサルと同じ特徴です。

ムネアカタマリンは、野生下では3~6月に繁殖し、5~6カ月の妊娠期間ののち出産します。

先述のように、赤ちゃんはヘルパーや父親によって運搬されます。

赤ちゃんは16週ほどで離乳し、2~4年で性的に成熟します。

ムネアカタマリンは、匂いでマークされたなわばりを持ちます

他の群れと遭遇すれば攻撃的になることもある一方で、他のサルと混群を作ることもあるようです。

ムネアカタマリンに会える動物園

ムネアカタマリンは、個体数を減少させているものの、確たる原因は分かっていません。

ただ、森林の破壊や分断がその原因である可能性があります。

また、総数に関しては少なくないようで、レッドリストでは軽度懸念に留まっています。

 

そんなムネアカタマリンですが、日本では愛知県犬山市の日本モンキーセンターだけが飼育しています。

ただ、現在はバックヤードで飼育されており、展示はされていないみたいです

日本にいるのに見られないなんて、残念です。

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