インドリ科

シルキーシファカ

シルキーシファカ
©2006 Jeff Gibbs: changed from the original

シルキーシファカの基本情報

シルキーシファカ

英名:Silky Sifaka
学名:Propithecus candidus
分類:インドリ科 シファカ属
生息地:マダガスカル
保全状況:CR〈絶滅危惧ⅠA類〉

シルキーシファカPhoto credit: Jeff Gibbs

絶滅に極めて近いサル

シルキーシファカは、シファカの中でも美しい容姿をしています。

白くて絹のようなその体毛は、名前の由来にもなっています。

種小名の“candidus”はギリシャ語で「白」、英名の“silky”は英語で「絹のような」を意味します。

 

そんな美しきシルキーシファカですが、世界で最も絶滅に瀕したサルの一種と言われています

大人の個体数はたったの250頭と推測されており、レッドリストでは危険度の最も高い絶滅危惧ⅠA類に指定されています。

彼らの絶滅を食い止めるための保全活動が求められています。

下の動画では、野生のシルキーシファカの健康状態を調べたり、追跡器具を付けたりすることで、これ以上彼らの数が減らないために活動する人たちの様子が紹介されています。

においがサイン

シファカのなかまが繁殖できるチャンスは、1年にたった一度だけです。

つまり、メスの発情が1年に一度ということです。

これを逃すと次の繁殖のチャンスはまた1年後です。

そのため、オスはメスが発情しているかどうか、毎日血眼になって確認しなければなりません。

しかし、確認すると言ってもシファカはチンパンジーなどのように外形的な特徴が発情時に出るわけではありません。

どうやって確認するのでしょうか。

 

シファカは、メスの発情をにおいから知ることができます。

オスもメスも臭腺(しゅうせん)を持っており、ここから出るにおいをコミュニケーション手段としています。

オスはメスの発情をこのにおいから感じ取るのです。

下の動画の後半では、まさにメスが木に付けたにおいをオスがかいでいる様子を見ることができます。

ちなみに、そのにおいが分泌される臭腺はアポクリン腺と呼ばれますが、これは人間も持っており、ワキガの原因となっています。

シルキーシファカの生態

シルキーシファカは、マダガスカル北西部の熱帯雨林に生息します。

 

昼行性で、を主食としますが、果実種子なども食べます。

葉は消化に時間がかかるため、このサルの活動時間のおよそ半分は休息に当てられます。

 

体長は48~54㎝、体重は5~6.5㎏、しっぽの長さは45~51㎝で、体格上において性差はありません

しかし、その一方で毛の色には性差があります。

メスが全体的に白いのに対し、オスは胸のあたりが茶色です。

この茶色の部分は、繁殖期になるとより大きくなるようです。

 

シルキーシファカは、2~9頭から成る群れを作ります。

群れではメスの方が優位にあり、食べ物において優先権を持ちます。

また、この群れは単雄単雌単雄複雌複雄複雌と様々な形をとります。

 

繁殖には季節性があり、11月~1月にかけて交尾が行われます。

そして年に一度のチャンスをつかめれば、メスは約6カ月の妊娠期間の後、1匹の赤ちゃんを産みます。

シファカ属のサルは、通常母親だけが赤ちゃんの世話をしますが、ミルンエドワーズシファカやこのシルキーシファカでは、母親以外の群れのメンバーによるグルーミングや運搬などの世話が観察されています

ミルンエドワーズシファカ
ミルンエドワーズシファカ彼らの生態はもちろん、彼らの捕食者でありマダガスカル最大の肉食獣、フォッサについても紹介しています。...

赤ちゃんを産んだメスは、出産してしばらくは発情できません。

出産から次の妊娠までの性的休止期間は約2年と言われています。

シルキーシファカPhoto credit: Jeff Gibbs

シルキーシファカに会える動物園

シルキーシファカは、先述のように絶滅の危機に瀕しています。

主な原因は農地開拓や違法伐採などによる森林破壊です。

また、現地では彼らの肉を食べることがタブーとされていないため、狩猟も大きな原因となっています

 

そんなシルキーシファカですが、残念ながら日本の動物園では会うことができません

いつの日か絶滅の危機から救われ、彼らが日本にもやってくる日を待ち望んでやみません。