メガネザル科

スラウェシメガネザル

スラウェシメガネザル
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スラウェシメガネザルの基本情報

スラウェシメガネザル

英名:Sulawesi Tarsier
学名:Tarsius tarsier
分類:メガネザル科 メガネザル属
生息地:インドネシア
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

スラウェシメガネザルPhoto credit: T. R. Shankar Raman

小さなジャンパー

スラウェシメガネザルは、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングと呼ばれる方法で移動します。

これは垂直に木にしがみつき、木から木へジャンプするという移動方法で、メガネザルの他にはマーモセット、キツネザルに見られます。

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スラウェシメガネザルの体はこの移動方法に適しています。

まずはその大きな手足。

体に対する手足の割合は、サルの中でもトップクラスに高いです。

その大きな手のおかげで木に垂直にしがみつくことができます。

また、指先はパット状になっており、これも木にしがみつくのに役立っています。

ちなみに、爪はマーモセットとは違って平爪をしています(後ろ足の中指だけはグルーミングのためのかぎ爪を持つ)。

 

次にその長い脚。

スラウェシメガネザルの脚は体長の2倍ほどあり、そのおかげで彼らはものすごいジャンプ力を手にしています。

彼らの体長は10㎝前後ですが、なんとその40倍もの距離をジャンプすると言うので驚きです。

ジャンプは移動のほかに、狩りにも使われます。

下の動画では、スラウェシメガネザルがジャンプして昆虫を捉える様子を見ることができるので、是非ご覧ください。

スラウェシメガネザルの生態

スラウェシメガネザルは、インドネシアのスラウェシ島やその周辺の島嶼の熱帯雨林などに生息します。

スラウェシ島は陸続きになったことがないため、スラウェシメガネザルの祖先は流木などに乗ってここにたどり着いたと考えられています。

 

夜行性で、昆虫やトカゲ、コウモリなどの動く生物だけを食べて暮らします。

 

メガネザルは他の夜行性のサルと違い、目に光を増幅させるタペータムという組織を持ちません。

その代わり、光を受容する中心窩(ちゅうしんか)という目の中の組織を発達させたことで、夜でも動くことができます。

 

この中心窩がある眼ですが、なんと脳よりも大きく重いです。

しかし、その目は動かせません

そのデメリットを補うかのように、彼らは180度以上首を回転させることができます

 

暗闇のなかで動くためには音が重要な情報になります。

彼らの耳はその情報を得るのに適しており、耳はアンテナのようにして片方ずつ動かすことができます

メガネザルの体の構造は本当に独特です。

 

体長は9.5~14㎝、体重はオスが118~130g、メスが102~114gとオスの方が大きいです

しっぽは20~26㎝と非常に長く、ネズミのようなうろこ状をしています。

 

スラウェシメガネザルは、一夫一婦制、もしくは一夫多妻制の社会を作ります。

夜行性のサルは基本単独行動ですが、このサルの場合は群れを作ります。

その影響か、捕食者から見つかりやすくなるため夜行性のサルが月の光を嫌うのに対し、このサルにそのような兆しは見られないようです。

群れはなわばりを持ち、尿や臭腺から出るにおいで守ります。

 

繁殖は2年に1度行われます。5月または11月に交尾が行われ、6カ月ほどの妊娠期間の後、1匹の赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは非常に大きく、母親の22%もの重さで生まれます。

その分成長も早く、2カ月前後で離乳し昆虫を自分で捕まえるようになります。

そして、17カ月で性成熟に達します。

スラウェシメガネザルPhoto credit: Sakurai Midori

スラウェシメガネザルに会える動物園

スラウェシメガネザルは、農地開拓や違法な森林伐採による生息地の減少のために、個体数を減らしています

レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

そんなスラウェシメガネザルですが、日本では上野動物園でのみ会うことができます。

もしかしたら彼らの特大ジャンプを見ることができるかもしれないので、皆さん是非会いに行ってみてください!