オナガザル科

トーマスリーフモンキー

トーマスリーフモンキー
©2016 Ilya Yakubovich

トーマスリーフモンキーの基本情報

トーマスリーフモンキー

英名:Thomas’s Langur
学名:Presbytis thomasi
分類:オナガザル科 リーフモンキー属
生息地:インドネシア
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

トーマスリーフモンキーPhoto credit: Ilya Yakubovich

おしゃれなルックス

長い手足に小さい顔。顔は白と黒の毛で覆われており、髪型がキマってます。

背中側は灰色をしており、おなか側は滑らかなクリーム色。

サルの中でもかなりおしゃれです。

 

おまけに名前は、トーマス。

こじゃれています。

このトーマスという名前は、動物学者の名前が由来だそうです

 

こんなおしゃれなルックスをもつトーマスリーフモンキーですが、実は「子殺し」が確認されています。

子殺しとは、その名の通り、大人が子どもを殺すこと。

トーマスリーフモンキーは単雄複雌の群れを作るのですが、オスは成熟すると群れから出ていきます。

そうして、一人になったオスが、別の群れを乗っ取った時、そのオスがその群れの子どもを殺してしまうのです

この行動は、メスの発情を促すためと考えられています。

とはいえ、なんと残虐なことでしょう。

子殺し
子殺しライオンなどサル以外にも見られる子殺しとは一体何なのか、なぜ起こるのか。これらの疑問にお答えします。...

 

ところで、リーフモンキーのなかまは、通常オスが群れを出ていきますが、トーマスリーフモンキーはメスも群れを出ていく珍しいサルです。

メスは、この子殺しを避けたり、近親相関を避けたり、よりよい食料、よりよい保護者(自分や子どもを、他のオスやトラなどの捕食者から守ってくれる強いオス)を手に入れたりするために、他の群れに移籍するのです。

したたかな戦略です。

トーマスリーフモンキーPhoto credit: Madeleine Holland

トーマスリーフモンキーの生態

トーマスリーフモンキーはインドネシアスマトラ島北部に生息します。

 

熱帯雨林などに棲み、主に若葉果実種子を食べます。

他に、キノコ小動物をたべることもあります。

トーマスリーフモンキー含め、コロブス亜科のサルの胃は、菜食にとても適しています

胃は牛のように3つか4つにくびれており、微生物や細菌の助けをかりながら、繊維の多い葉っぱを消化します。

 

体長は40~60㎝、体重は6.5㎏前後、しっぽの長さは50~85㎝で、体格において性差はあまりありません

 

トーマスリーフモンキーは10頭前後から成る単雄複雌の群れを作ります。

群れにはオスにもメスにも序列があります。

彼らは非常にゆったりとした生活を送っています。

1日の6割は休息に使われ、3割がえさの探索、1割がグルーミング(毛づくろい)などの社会的な活動に使われます。

コミュニケーションにはグルーミングの他、特に音声が多用されます。

 

繁殖に明確な季節性はありませんが、子供の離乳時期と食料が豊富な時期は重なることが多いようです。

オスが最も優位なメスと交尾するか、それとも複数のメスと交尾するかは議論がありますが、いずれにしろメスは5~6カ月の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは主に母親によって育てられ、12~15カ月で離乳します。

性成熟には4~5歳で達し、メスの性的休止期間は1.5~2年です。

トーマスリーフモンキーの寿命は飼育下で20~30年です。

トーマスリーフモンキーに会える動物園

トーマスリーフモンキーは、森林伐採やパーム油のためのプランテーションなどにより住む場所を奪われ、個体数を減らし続けています

レッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、更なる個体数の減少が懸念されます。

 

そんなトーマスリーフモンキーですが、日本の動物園では会うことができません

動物園にいたら絶対にモテそうなんですけどね。残念です。