オナガザル科

トクモンキー

トクモンキー
©2010 Amila Kanchana

トクモンキーの基本情報

トクモンキー

英名:Toque Macaque
学名:Macaca sinica
分類:オナガザル科 マカク属
生息地:スリランカ
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

トクモンキーPhoto credit: the very honest man

カッパ頭

このサルを見たとき、誰もが髪型に注目するでしょう。

なんとおしゃれなヘアスタイル。

つむじから放射状に曲線を描いて生える髪の毛は、まるでカッパの頭の皿のようです。

名前を付けた人がカッパを知っていたら、絶対にカッパモンキーと名付けていたにちがいありません。

 

そんな彼らの名前ですが、トクモンキーのトクとは、女性がかぶるつばのない帽子、トークハット(トーク帽)から来ています

イギリスのキャサリン妃もよくつけているものです。

しかし、やはり日本人にとってはカッパの方がしっくりきますねえ。

 

とはいえ、サルによっては髪型が整っていないものや、爆発しているものもいます。

サルの髪型も人間同様、さまざまです。

 

このサルがカッパに似ているのは髪型だけではありません。

実はその生態もカッパに似ています。

通常、サルは水を怖がります。

この性質を生かして、動物園では展示場を水の張った堀で囲んでいることもあります。

しかし、このトクモンキーはカッパのように水遊びが大好きです

水の中に隠れたり、自ら川にダイブしたりとその姿はサルというよりはカッパを彷彿とさせます。

下の動画ではその様子が観察できるので、ぜひご覧ください。

トクモンキーの生態

トクモンキーは、スリランカ乾燥林や、熱帯雨林に生息し、高度2000メートルもの所に住むものもいます。

昼行性で、比較的樹上性が高いです。

 

主食は果実で、そのほかにもや昆虫、小動物なども食べます。

 

トクモンキーはマカク属の中では最も小型になります。

体格はオスの方が大きく、オスが体長約50㎝、体重4~5.5㎏なのに対し、メスは体長約40㎝、体重2.5~4.5㎏になります。

しっぽの長さは体長よりすこし長い程度で、頬には食料を一時的に貯めるほお袋があります。

トクモンキーPhoto credit: Amila Kanchana

 

 

トクモンキーは、40頭までの複雄複雌の群れで暮らします。

群れの中での順位ははっきりしており、厳格です。

α(アルファ)オスと呼ばれるオスのサルが頂点に立ち、次にオス、メス、子どもの順に順位が低くなります。

もちろん、メスの中でも順位は決まっており、子どもは母親の順位を引き継ぎます

群れの中で順位が高ければ高いほど、繁殖の機会が増え、よりよいえさにありつけます

下の動画では、果物を食べる様子から、群れの順位がはっきりわかります。

最後の方には、最も順位が下であるためにえさにありつけない、妊娠したメスの姿が映し出されます。

なんと、切なく、残酷なことでしょうか。

 

トクモンキーは、夏の終わりの3カ月ほどの期間で繁殖を行います。

メスは発情すると陰部から粘液を出し、オスに知らせます。

交尾は乱交的に行われ、メスは5~6カ月の妊娠期間の後、通常1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは主に母親によって育てられ、140~190日で離乳します。

性成熟にはメスが約5年、オスが約7年で達し、オスはその前に群れを離れます

寿命は飼育下で30~35年です。

トクモンキーに会える動物園

トクモンキーは、お茶のプランテーションや燃料のための森林伐採などにより住みかを奪われ、個体数を減少させています。

スリランカでは1950年代から2000年代の間に、50%以上もの森林が失われています。

そこに住む生物の個体数も森林の減少に比例して減少しており、トクモンキーはレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されるに至っています。

 

そんなトクモンキーには、愛知県犬山市の日本モンキーセンターと、山口県のときわ動物園で会うことができます。

トクモンキーは30種類もの声を使い分けるといいます。

もしかしたら、動物園でもいろいろな鳴き声が聞こえてくるかもしれません。

あ、あとカッパ頭にも注目です。