メガネザル科

ニシメガネザル

ニシメガネザル
©2016 Michael Elleray

ニシメガネザルの基本情報

ニシメガネザル

英名:Western Tarsier
学名:Cephalopachus bancanus
分類:メガネザル科 ニシメガネザル属
生息地:ブルネイ, インドネシア, マレーシア
保全状況:VU〈絶滅危惧Ⅱ類〉

ニシメガネザルPhoto credit: Seshadri.K.S

 

ぱちくりおめめ

ニシメガネザルを含め、メガネザルの特徴と言えばその目。

あまりにも大きく特徴的であるため、“メガネ”という言葉が名前についているほどです。

 

なぜこれほどまでに目が大きいのか。

それは捕食のためです。

メガネザルは夜行性で、一晩40匹もの昆虫や小動物を捕食します。

そのために捕食対象をよく見ることができるこの大きな目が必要なのです。

 

この大きい目は、私たち人間のように中で動かすことができません

 

しかし、目が動かせない代わりに、メガネザルは首を動かします

首を回すことで、体は同じ向きでも、ほとんど360度を見渡すことができるのです。

フクロウみたいですね。

 

ところで、ロリスガラゴなど、夜行性のサルは、目の網膜の奥にタペータムという組織を持っており、それによって光を鏡のように反射させ増幅させることで、暗闇の中でも行動できます。

身近な例で言うと、写真や動画を撮るとき、犬や猫の目が光って見えるのは、このタペータムが光を反射しているからです。

 

メガネザルも夜行性ですが、この組織を持ちません

しかしそのかわり、人間にも存在する中心窩という構造を発達させたことで、視力を増しています。

このことも手伝って、メガネザルは他の夜行性のサル(原猿)とは大きく分類されています。

ニシメガネザルの生態

メガネザルは、ボルネオ島スマトラ島などの熱帯雨林に生息します。

樹上で生活し、ヴァーティカル・クリンギング・アンド・リーピングで移動します。

 

夜になると活発に行動する夜行性で、カエルトカゲなどを食べます。

サルは草食や雑食のイメージがありますが、このサルは完全なる肉食です。

 

体長は約12㎝、体重はオスが約130g、メスが約120g、しっぽの長さは体長の2倍ほどあります。

メガネザルはこのように小さい体ですが、6m近くも跳べるものすごいジャンプ力を持っています

これは体に対して長い脚が可能にしています。

メガネザルはこの長い脚や大きな目のほかに、大きな耳も特徴的です。

これも目と同様、捕食において大きな役割を果たします。

また、メガネザルの指先はパッドのようになっていて、木をしっかりとつかめるようになっています。

更に彼らはかぎ爪をもっており、これで毛づくろいをします。

 

ニシメガネザルは基本的に単独で行動します

それぞれがなわばりを持ち、オスとメスのなわばりは一部で重複しています。

なわばりは尿や陰部の臭腺から出るにおいでマーキングされます。

社会的なコミュニケーションはメガネザルの中でも特に少なく、子と母親を除くグルーミングなどのコミュニケーションはあまり見られません。

 

繁殖に季節性は見られず、オスは1匹以上のメスと交尾します。

メスは、約半年の妊娠期間の後、1匹の赤ちゃんを産みます。

赤ちゃんは母親の4分の1の重さで産まれます。

離乳は生後80日、性成熟には生後約900日で達します。

メスの性的休止期間は260日前後で、寿命は約10年です。

ニシメガネザルに会える動物園

ニシメガネザルは、オイルパームプランテーションや、森林伐採、火事、ペット目的の狩猟などにより個体数を減らし続けています。

レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されていますが、最新の評価は2008年のものなので、もしかすると絶滅の危機はそれ以上であるかもしれません。

 

そんなニシメガネザルですが、残念ながら日本では見ることができません

しかし、ニシメガネザルの近縁種であるスラウェシメガネザルは上野動物園で見ることができます。

メガネザルであればなんでもいいよという人はぜひ行ってみてください。