サキ科

ハナジロヒゲサキ

ハナジロヒゲサキ
©2011 Valdir Hobus

ハナジロヒゲサキの基本情報

ハナジロヒゲサキ

英名:White-nosed Bearded Saki
学名:Chiropotes albinasus
分類:サキ科 ヒゲサキ属
生息地:ブラジル
保全状況:EN〈絶滅危惧ⅠB類〉

ハナジロヒゲサキPhoto credit: Rich Hoyer

トランスアマゾンハイウェイ

1970年代、干ばつ被害がひどい地域の人々の定住や、木材や鉱物資源の獲得などを目的として、トランスアマゾンハイウェイがアマゾンに開通しました。

この道路は、今まで道のなかったアマゾンの森を切り開いて舗装され、その長さは今では5000㎞以上にもなりブラジル沿岸とペルーを繋いでいます

 

そんなトランスアマゾンハイウェイですが、環境に重大な被害をもたらしています

言うまでもなく、森林の破壊は深刻です

また、道路ができたことで動物たちの住む森林が分断されてしまいました。

ハナジロヒゲサキもその被害者です。

 

この道路はさらに二次被害を生みます。

道路ができたことで、農業をやりたい人が沢山アマゾンに来ることができるようになってしまいました。

ハナジロヒゲサキの生息地では、大豆の栽培が盛んで、その畑の開拓ために彼らの森林が奪われています。

トランスアマゾンハイウェイは、短期的に見れば経済的な効果はあったのかもしれませんが、長期的な視点に立った時、それによる被害は様々な方面で甚大です。

アマゾンにとって、この道路の開通は悲劇と言えるかもしれません。

ハナジロヒゲサキPhoto credit: tuftedear

ハナジロヒゲサキ

ハナジロヒゲサキは、ブラジルのアマゾン川中下流域に生息しています。

主に果実を食べ、その割合は全体の9割にも及びます。

他には、未熟な種子なども食べるようです。

体長はオスが42㎝、メスが38㎝ほどで、体重はオスが平均3.1㎏、メスが2.5㎏になります。

しっぽは体長と同じくらいの長さで、クモザルのような把握性はありません。

また、しっぽや毛は、振ったり逆立てたりすることで、コミュニケーションにも使われているようです。

 

外見は非常に特徴的で、名前にあるような立派なヒゲ、割れた頭、そして白ではなく明らかにピンク色をした鼻周り、さらにはピンク色の陰部

一度見たら忘れられません。

そんなハナジロヒゲサキですが、数十頭から成る複雄複雌の群れを作ります。

この群れは、採食の時などには小さな群れに分かれるようです。

 

ハナジロヒゲサキは4年ほどで性成熟に達します。

メスは発情すると陰部が鮮やかなピンク色になり、オスに気付いてもらうためかしっぽを上げて歩くようです。

見事繁殖に成功すれば、5~6カ月の妊娠期間を終えて1匹の赤ちゃんが生まれますが、そのほとんどは2月~5月、8月~9月の間に生まれます。

なお、繁殖は1年に1度だけ行われます。

ハナジロヒゲサキに会える動物園

ハナジロヒゲサキは、先述のような生息地の分断や破壊などにより個体数を減らし続けています。

レッドリストでは、2番目に絶滅が危険視される絶滅危惧ⅠB類に指定されています。

 

そんなハナジロヒゲサキですが、残念ながら日本の動物園で見ることはできません

彼らを動物園で見たい気持ちはありますが、そんなことよりも彼らの保全の方が優先事項です。